今や「完全防水」というスマホが普通にあり、水に関しては万全と思われがちですが、実はそうではありません。
「防水」とは真水での防水機能のことを言っていて、少しでも真水でない場合、「防水」の条件が変わります。
真水 = 塩分などを含まない水
塩分「など」という表現があいまいになっており、塩分以外でなら平気と思われがちですがそうではありません。
何かしらの成分が入っていたら「真水」ではありません。
さらに、完全防水でも「水深6mまでで最長30分」という制限があるものがほとんどです。
水深はなんとなくありそうだなと想定できますが、「完全」といっているのに時間制限があるのは落とし穴です。
よって、スマホをお風呂、プール、海水でそのまま使用することは控えたほうが良いです。
思わぬ水没を避けるため、そのまま使用するのではなく、スマホが水分に触れない様、スマホ用防水ケースに入れるなどの対処が必要です。
ここでは防水スマホの耐久性能の説明と水没リスク、オススメスマホ用防水ケースご説明します。
この記事でわかること
- 防水スマホはそのまま水場で使えるか?
- 防水機能の説明
- お風呂、プール、海での水没リスク
- オススメスマホ用防水ケース
- スマホ用防水ケースの落とし穴
スマホの防塵・防水性能
まず、自身のスマホの防水性能を知るために、防水・防塵の度合いを知る必要があります。
防塵・防水の数値は「IPXX」で表し、XX部分は以下で表現されています。
IP [ 防塵の等級 ] [防水の等級]
例として、iPhone15の防塵・防水性能は、IP68ですので、防塵等級が6、防水等級が8ということになります。
どちらかに対応していない場合は、IP6XやIPX8などのように、Xで表されます。
防塵・防水の等級ごとの性能内容は以下になります。
等級(IP) | 防塵性能 | 防水性能 |
---|---|---|
0 | 無保護 | 無保護 |
1 | 直径50mm以上の大きさの外来固形物に対し保護されている。 大人の握り拳が危険個所へ接近しないように保護されている。 | 製品上部から垂直に滴下する水に対して保護されている |
2 | 直径12.5mm以上の大きさの外来固形物に対して保護されている。 大人の指での危険個所への接近に対して保護されている。 | 製品を15度傾けた状態で施品上部から垂直に滴下する水に対して保護されている |
3 | 直径2.5mm以上の大きさの外来固形物に対して保護されている。 工具での危険個所への接近に対して保護されている。 | 製品上部から両側に60度までの角度で噴霧された水に対して保護されている |
4 | 直径1.0mm以上の大きさの外来固形物に対して保護されている。 針金での危険個所への接近に保護されている。 | 製品に対するあらゆる方向からの水の飛まつに対して保護されている |
5 | 防塵試験用粉塵(直径75μm)が入ったとしても所定の動作および安全性を損なわないように保護されている。 | 製品に対するあらゆる方向からの噴流水(12.5ℓ/min)に対して保護されている |
6 | 耐塵試験用粉塵(直径75μm)が入らないように保護されている。 | 製品に対するあらゆる方向からの暴噴水(100ℓ/min)に対して保護されている |
7 | - | 水に浸しても影響がないように保護されている。 製品を水中で使用するもの。 |
8 | - | 潜水状態での使用に対して保護されている。 7より厳しい条件の中で使用するもの。 |
iPhone15のIP68であれば、防塵は細かそうなものが入らないようだし、防水は潜水OKと書いてあるので、お風呂もプールも海も大丈夫ということと思われますが、そうではありません。
そもそもiPhone15の潜水機能は「水深6mまでで最長30分」までしか保証されていません。
お風呂は水深6mもないので水深は問題ありませんが、別の問題があります。
お風呂・プール・海での水没リスクと落とし穴
一見キレイな水に見えても、細かい粒子や何かしらの薬品が入っているため、「真水」ではないことに注意です。
また、日々の使用方法(落下などの衝撃や水没の頻度)により、防水性能は落ちていきます。
以下が、それぞれの用途に伴う、水没リスクと落とし穴です。
お風呂 | プール | 海 | |
---|---|---|---|
リスク | ・真水ではない ・ゴミが混入する ・水没可能時間を超える ・温度差により内部が結露する | ・塩素が入っている ・ゴミが混入する ・水没可能時間を超える ・温度差により内部が結露する ・落下やぶつけなど衝撃リスクがある ・温度が-20°〜45°Cの範囲外の場合がある | ・塩が混入する ・ゴミが混入する ・水没可能時間を超える ・水深可能距離を超える ・温度差により内部が結露する ・落下やぶつけなど衝撃のリスクがある ・温度が-20°〜45°Cの範囲外の場合がある |
お風呂
水深は問題ないですが、お湯が外気よりも高いことから、お湯から上げた際に外気で冷やされ、スマホ内に結露が発生します。
結露は水分のため、基盤に悪影響を及ぼし故障の原因となります。
また、様々な微粒のゴミの混入も考えられます。
プール
プールには塩素が入っているため、スマホ表面へのダメージがあります。
また、お風呂同様、様々な微粒のゴミの混入も考えられます。
さらに、落下やプールサイドへのぶつけにより、外部に衝撃が加わり、防水機能が損なわれる可能性があります。
温度に関しては、プールの温度及び、外の気温でスマホの制限である45℃を超える可能性があり、それを超えると電源が落ちるなどの動作が発生します。
それに伴い、冷やすことによりスマホ内に結露の発生リスクもあります。
遊んでいると「水6mまでで最長30分」の時間制限を超えて水につけてしまうこともあります。
海
お風呂やプールと同様のリスクがあるほか、そもそも海水であるため、素のままつけることは推奨されていません。
また、外で使用することから、直射日光にさらされるため、温度制限を超えやすいです。
スマホにとってとても環境の悪い水場です。
スマホ用防水ケースを使おう
これまでの水没リスクを防ぐため、スマホ用防水ケースを使用しましょう。
スマホ用防水ケースはいくつもあり、常に最新のものが発売されていますので、以下の条件を満たすものを使用するのがオススメです。
スマホ用防水ケースはかなりたくさん種類があり、どれを選んで良いかわかりづらいです。
また、ランキングトップだからと言って製造工程でどのような質となるかは運になります。
よって、購入後は必ず、試用し正しく使えることを確認しましょう。
- スマホ用防水ケースの中にティッシュを入れ、水を入れた洗面器などにつける
- 数回繰り返す
ある程度繰り返して、ティッシュが濡れることがなければ、通常使用で製品に異常がないことが試せます。
もし不具合があれば商品として成り立っていないため、返品理由になります。
間違えない!オススメスマホ用防水ケース
百円均一などの防水ケースは安くコスパが良いですが、やはり本格的に使用するには不安が残ります。
そこで、私のオススメは「DIVAID(ディバイド)」です。
上記の絶対条件を兼ね備えたうえに、以下も持ち合わせています。
価格は大体2000円前後で、防水に関係ない普段使いもできるくらいたくさんのデザインがあります。
小銭などが入れられるというのが、プールや海でかなり役に立ちます。
あまりの使い心地のよさに、一度使うとリピートしたくなります。
もちろんこのケースも試用して正しく使えることを確認しましょう。
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スマホ用防水ケースの意外な落とし穴と欠点
密閉されているとうことは、排熱ができないということになります。
スマホは常に動いていて排熱しています。
それを閉じ込めることになるため、気温が高い場所ではあっという間にスマホの温度が上がり、スマホの安全機能で電源が落ちてしまうことがあります。
これを解消する方法はなく、東京オリンピック前のブルーインパルスを見ようと外にいて撮影していたら、素のスマホでも炎天下による温度上昇で電源が落ちてしまったことがあります。
だからと言って保冷剤などで急激に冷やすと内部に結露が発生します。
外気とあまり変わらない水温であるプールや海に使ったままであれば、温度上昇は多少防げます。
お風呂の場合は湯舟につけず、置いておくだけであればそこまで温度は上がりません。
むしろ水道水を洗面器にため、入れておいてあげたほうが良いです。
電源が落ちるといっても故障したわけではないので、そこまでは問題ではありませんが、完全防水であることによる意外な落とし穴です。
水場の撮影に特化した水中カメラ
ご家族や友人とプールや海へ行く場合にスマホを水中に入れる場面は、おもに撮影をするためであることが多いです。
そこで便利なのが撮影に特化した水中カメラです。
水中カメラは撮影や動画機能しかなく、荷物になるからスマホが使えるならスマホを使いたいですが、水中カメラを使うことにより、肝心な時にスマホが使えないリスクを避けることができます。
今はメーカーにこだわらなければ水中カメラは1万円以下で買えます。
もちろん高いものはピンキリですが性能がよいです。
使ってみて自覚する水中カメラの一番良いところは、撮影したいときに撮影して、あとは手を放して気軽に水中にボチャンとできることです。
これがかなり楽で、スマホの場合、あまり乱暴に扱えないので気を使いますが、水中カメラは衝撃にも強いので何も気にせずにいられます。
撮影モードなど機能が多くて大変そうと思われがちですが、オートでも十分キレイに撮影できるため、機械が苦手な方でも問題ありません。
商品により耐えられる水深は変わりますが、水中につけたままでよい時間で制限はありません。
炎天下による電源落ちも経験したことがありません。
スマホは万能で、一台でなんでもできてしまうので水中でも使いたくなりますが、用途を分け、水場は水場のプロである水中カメラを使用することもオススメです。
いきなり水中カメラを購入するのはハードルが高いという方は、レンタルすることもできます。
水中カメラの快適さを手軽に体験できます。
まとめ
スマホはとても高価です。
そのためなるべく故障につながる使い方をしないのがベストです。
スマホ用防水ケースなどでしっかり防水対策をして、安心して水場で使用できるようにしましょう。
とはいえ、スマホ用防水ケースも万能ではないため、落とし穴も理解した上で使用し、場合によっては水中カメラの使用も検討しましょう。